国は経済的に厳しい状況に置かれたひとり親家庭のために、「子育て・生活支援」、「就業支援」、「養育費の確保」、「経済的支援」の4本柱を掲げ、就業自立に向けた総合的な支援を進めています。平成28年度から、児童扶養手当の第2子加算額を5千円から1万円へ、第3子以降加算額を3千円から6千円へと変わりました。
また、経済的な困難が児童の虐待と密接に関わっている場合もあることから、児童虐待防止と子どもの貧困対策を同時に進めるなど、問題解決に向けた具体策の検討が進められています。
このような中北九州市では、平成27年度に「元気発進子どもプラン第二次計画」を策定し、子どもの健全な育成のための施策を推進しています。また、就業支援のために「高等職業訓練促進給付金」の10万円(非課税世帯)に、市独自で「ひとり親家庭の自立応援事業」として2人目まで一律2万円を加算する等、手厚い対策も実施しています。
さて、社会情勢の変化に伴い、親は職場で子どもは保育所や学校等で過ごす時間が多くなっています。また、親はスマートフォン、子どもはゲーム機に夢中になるなど、親と子のふれあいや会話が減り親子関係がだんだん希薄になってきています。また、「子どもの貧困」と言われている中で、貧困の連鎖が生じないように、子どもの学習支援も課題となっています。そのために、子どもの心のケアや学びの支援、ひとり親家庭の抱える問題への対応やひとり親の心のケアが必要とされており、本会として子どもの居場所づくりやひとり親家庭の支援の拠点の場づくりを考えていきます。
また、国に対しても学びを応援するために、子どもの学習支援や修学資金貸付金の保証人や金利緩和、奨学金事業の充実や増設を要望していきます。
本会の活動資金の財源は、主に収益事業ですが収益の悪化で事業の縮小を余儀なくされています。また、組織については、新規会員は少しずつ増えていますが、寡婦会員の高齢化や、ひとり親家庭会員の子どもが巣立った後の継続が難しいなど、全体的に会員が年々減少しているのが現状です。しかしながら、「今まで会の存在を知らなかったが、加入して良かった。子育てが済んだら活動に協力をしたい」との声もあり大きな励みとなっています。今後は携帯電話メールを活用し行事等の情報配信など、参加意欲を高めるための広報活動を行うと共に、会員獲得に力を入れていきます。
平成30年には九州地区母子寡婦福祉研修大会が北九州市で開催されます。大会を成功させるためにも、大会の準備を進めながら、母子会の組織強化を図っていきます。
北九州市立母子・父子福祉センター
ひとり親家庭の親及び寡婦の自立促進を図るため、就労に必要な知識、技術の習得を目的とした就業支援講習会を開催いたします。母子・父子自立支援プログラム策定事業(就職相談)については、相談者に寄り添いながらの就労支援を行うことで大きな成果が上がっています。キャリアカウンセラー1名を「ウーマンワークカフェ北九州」に昨年度に引き続き派遣し利便性を図るとともに、各区役所等との連携を密にきめ細やかな就職相談を行います。また、就労に関するセミナーを企画し、就職促進に繋がるよう取り組んでいきます。
法律相談については年々相談者が増加傾向にあり、効率よく受付けられるように配慮します。ふれあい事業については一部内容を見直し、新規の企画を行うことにより利用者層の開拓につなげます。
広報活動については、インターネット(ホームページやメールマガジン)の活用やパンフレット等の印刷物を作成し、事業の効果的なPRに努めるとともに、母子・父子福祉センターの周知を図ります。
面会交流支援事業
平成28年10月北九州市の委託を受けて実施しています。
面会交流とは、離婚や別居により親と離れて暮らす子どもが、定期的に親と会って話をしたり遊んだりして交流することを言います。子どもが親を知り、その愛情を確認して安心して育つためにとても大切なことです。
様々な事情から自分たちだけでは子どもの面会を実施できない場合に、支援員が中立的な立場から間に立って、「付添い」や「受渡し」などの支援をします。
問い合わせ・申し込みは母子・父子福祉センターが受け、事前相談、支援の実施については、「NPO法人北九州おやこふれあいセンター」に委託して行います。一組でも多くの面会交流の支援につながるように取り組みます。
北九州市立藍島保育所
平成29年度は2名でスタートします。3歳児のみの保育所生活となりますが、一人ひとりの個性を大切に基本的生活習慣の確立に向き合っていきます。
自然に恵まれた島ならでの四季の変化に、ふれあい保育を行います。また、園庭の野菜栽培にも関心を広げ、いろいろな味覚を養うなど食育保育も継続していきます。
島内外の行事などより多くの体験を重ね、豊かな感性を育んでいき、情緒保育にも力を注いでいきます。
3歳児の発達に添った保育に視点を置き、他の保育所との格差をなくし、子ども、保護者、地域、職員と共にすこやかな成長を培っていきます。